鳥類

キジ目

キジ

学名: Phasianus versicolor
全長: ♂80cm ♀60cmcm
生態: 留鳥。雑食で種子や昆虫などを食べる。産卵は4月から6月に5〜12個の卵を産む。
抱卵、育雛はメスのみで行い、ヒナは早成性で孵化後まもなく巣から離れる。
片野鴨池の周辺には通年で生息しているはずだが、目視できるのは年数回程度。

カモ目

ヒシクイ

学名: Anser fabalis
全長: 78〜89cm
生態: 冬鳥。ガンの仲間で国の天然記念物に指定されている。
マガンとはくちばしの色が違うことと、大きさで区別できる。
年間数百羽が鴨池に飛来する。日中に池の中にいることも多く、観察館の目の前数mまで近づいてくることもある。
池の底に沈んだヒシの実を拾うときに逆立ちをする。その姿はシンクロナイズドスイミングのようで来館者から人気がある。
関連動画(youtube):
ヒシクイ逆立ち
シンクロナイズドヒシクイズ
ヒシクイ採餌

マガン

学名: Anser albifrons
全長: 65〜78cm
生態: 冬鳥。ガンの仲間で国の天然記念物に指定されている。
くちばしがピンク色で付け根が白いことが特徴。若鳥はくちばしが黄色く付け根も白くない。
鴨池は年間数千羽が飛来する西日本最大級のマガンの越冬地。日中はたんぼに採餌をしにでてしまいなかなか観察できないが、イベント時に見られる飛び立ちとねぐら入りの風景は素晴らしい。
ねぐら入りの時にはひらひらと舞い落ちるような動きの「落雁」をする。
関連動画(youtube):
夕焼け帰雁
落雁(ハイスピード撮影)

カリガネ

学名: Anser erythropus
全長: 53〜66cm
生態: 稀な冬鳥。大陸に多いガンの仲間で、毎年数羽がマガンに混ざって飛来する。
マガンにそっくりだが、くちばしが短く頭の輪郭が丸く、黄色いアイリングと尾羽より長く伸びる初列風切り羽が特徴。
とてもかわいらしい顔つきもあり人気があるが、鴨池ではよく喧嘩をするというイメージがある。一羽で混ざることが多く、周りのマガンは家族で動いているので間に入り込んでしまい威嚇を受けることが多いのかもしれない。
レンジャーのあいだではだれが初認するのかちょっとした争いがある(笑)。
関連動画(youtube):
いじめられるカリガネ
カリガネのはづくろい

コハクチョウ

学名: Cygnus columbianus
全長: 120cm
生態: 冬鳥。鴨池に来る中の鳥でもトップクラスに人気があるが、来館者が少ない午前中のうちにたんぼに向けて飛びたってしまうことが多く、よくがっかりされる。
マガンと比べると遅く飛び立つことが多いので、早く来館すれば飛び立つ瞬間が見られることも多い。
近縁のオオハクチョウが混ざることもあるが、くちばしの模様の形と首の長さで見分けることができる。亜種のアメリカコハクチョウも混ざることがある。
関連動画(youtube):
コハクチョウ飛び立ち

オシドリ

学名: Aix galericulata
全長: 41〜47cm
生態: 鴨池では夏鳥。というより晩夏鳥。
鴨池周辺で繁殖はしておらず、繁殖にかかわらないオスが夏中旬以降に鴨池によく飛来し、秋には繁殖が終わったメスと若鳥も飛来する。他のカモが飛来し始めると見られなくなるが、稀に数百羽で越冬する年もある。
なぜかマガモをオシドリだと間違えられてることがあるが、姿は似ていない。
「オシドリ夫婦」という言葉があり仲が良い夫婦をさすが、オシドリは毎年つがい相手を変え、子育てもメスが行う母子家庭。
関連動画(youtube):
相手を間違えたオシドリの求愛

オカヨシガモ

学名: Anas strepera
全長: 48cm〜58cm
生態: 冬鳥。数は多くないが毎年みられる。しかし色が地味なのでなかなか気づいてもらえない。
オスは全身灰色のカモで背中に薄いオレンジ色の飾り羽がある。
地味といわれるが、近くで見るととてもきれいなカモ。その灰色はべた塗ではなく、白地に細かい黒の波線が入ったような羽になっている。さくレンジャーの好きなカモなので「地味で面白くない」と言われると力説が始まる。
メスはマガモのメスにそっくりだが、一回り小さく、三列風切の形が違う。
関連動画(youtube):
オカヨシガモの求愛

ヨシガモ

学名: Anas falcata
全長: 46〜53cm
生態: 冬鳥。鴨池に飛来する頭が緑のカモの一つ。
鴨池のほかの頭が緑のカモ、マガモとハシビロガモとはくちばしが黒いことと小さいことで見分けがつく。体の色も違う。
後ろ髪(?)が長く、くちばしまで一つにつながってナポレオンハットのように見えるのでナポレオンガモと呼ばれることも。
お尻のあたりが丸まって見えるが、それは三列風切という脇の羽が長く伸び飾り羽になったもの。
関連動画(youtube):
ヨシガモの求愛
ヨシガモの求愛(ハイスピード撮影)

ヒドリガモ

学名: Anas penelope
全長: 43〜54cm
生態: 冬鳥。だが真冬には周りの湖沼に移動してしまうものが多いので、鴨池では秋から初冬に多くなるカモ。
真冬は周辺だと北潟湖や柴山潟、木場潟によくいる。
頭が赤色でおでこが白く、体は灰色で白い雨覆が脇から見えているのが特徴。
秋の渡りのシーズンにはカモのオスはメスそっくりになるエクリプスと呼ばれる状態だが、春から半年ぶりに姿を見るということもあり、このときのヒドリガモとヨシガモはとても判別しづらい。

マガモ

学名: Anas platyrhynchos
全長:59cm 85cm
生態: 冬鳥。世界で一番多く、もっとも一般に知られたカモの一つ。
鴨池でも一番多いカモで、毎年2500羽〜3000羽が飛来する。
緑の頭と黄色いくちばしが特徴で、中央尾羽がクルリとカールしているのがチャームポイント。
坂網猟で捕えるのは主にこのカモで、撮られたカモは「坂網鴨」としてブランド化されている。
他のカモに比べとてもよく求愛、交尾が見られるのはなぜなのだろうか。
関連動画(youtube):
マガモ求愛
マガモ求愛(ハイスピード撮影)

カルガモ

学名: Anas poecilorhyncha
全長: 54〜61cm
生態: 留鳥。日本で見られるカモで唯一身近な場所で一年中みられるカモ。
よく夏にヒナを連れて道を渡る映像がニュースで流れるのはこのカモ。
雌雄ともに茶色い羽をしており、くちばしが黒く先がオレンジ色なのが特徴。
雌雄の見分けは難しいが、鱗模様の縁取りや上尾塔の色、オスのほうが少し黒っぽく見えるなど若干の違いがある。が、やはり対岸にいる時は全く分からない。
近年、人間が放したアヒル(種としてはマガモ)との混血が問題視されており、次列風切の先に白い帯が出るものが増えているとも言われる。しかし加賀ではアヒルが少ないためか、白い帯が出ているものは少ない。

ハシビロガモ

学名: Anas clypeata
全長: 43〜56cm
生態: 冬鳥。鴨池で見られる頭が緑色のカモの一つ。
くちばしが黒くて大きいことと、白い胸、鮮やかなオレンジの脇腹が特徴。
その大きなくちばしは水中のプランクトンを食べることに特化しており、カモの仲間に見られる櫛のようになったくちばしの中の構造「板歯」が最も発達している。
オスの換羽が遅く、春の渡りが始まるころにようやくきれいになるオスも多い。
くちばしの色もメスのようになるので、観察館のレンジャーも足環をつけてメスとして放したら、のちにオスだったと判明したことがある。
関連動画(youtube):
ハシビロガモ求愛

オナガガモ

学名: Anas acuta
全長: ♂70cm ♀50cm
生態: 冬鳥。名前の通り尾が長いカモ。首もほかのカモに比べて細く長いので、雌雄ともにシルエットでもわかりやすい。
一見オスは灰色と茶色で地味に見えるが、胸の白さが遠目でもよく目立つ。
尻尾が長いほうがメスにモテるらしい。しかしなぜか尾羽は短いし羽もきれいとは言えないのに、つがいになっているオスがたまにいる。
よく餌付けを受けるので、都会の公園など安定して餌をもらえる場所で増えている。
関連動画(youtube):
オナガガモ求愛

シマアジ

学名: Anas querquedula
全長: 38cm
生態: 旅鳥。春と秋に鴨池に少数がより通過していくが、秋はエクリプスのためオスもメスと変わらない羽をしており、トモエガモの群れに混ざるとなかなか発見できない。
和名のシマアジは、よく「しま」模様のある「あぢ」(トモエガモの古名)といわれるが、日本鳥名由来辞典には「しま」は、やや変わった種類の生き物につく接頭語と書かれている。
同辞典には続けて「あぢ」はコガモを意味すると書いてあるが、同辞典内別項では「あぢ」はトモエガモの古名と書かれているので(コガモは古名「たかべ」など)、意味は「珍しいトモエガモ」(トモエガモは近年までは珍しくなかった)と考えられる。

トモエガモ

学名: Anas formosa
全長: 40cm
生態: 冬鳥。片野鴨池を代表する鳥で、日本全国にわたってくるトモエガモのうち半数から、3分の2が片野鴨池で越冬する。観察館のメインキャラクター「ともえちゃん」にもなっている。
和名の「トモエ」は顔の巴状の模様からきているが、人から離れたところに集まる習性があるため、顔はなかなか認識できない。脇と腰に白い線が入るので、こちらを探してから顔を見ると何となく見えてくる。
ワンシーズンに数日ほど近くに寄ってくる日があるが、積雪中に多いことと、昼前には対岸に戻ってしまうのでなかなか来館者に見てもらえない。
関連動画(youtube):
雪のトモエガモ

コガモ

学名: Anas formosa
全長: 38cm
生態: 冬鳥。名前の通り小型のカモで、日本で見られるカモの仲間では最小種のひとつ。
鴨池では秋にもっとも多くなり1000羽を超える群れが飛来するが、冬が深まるにつれ周辺の河川などに移動してしまう。
観察館のすぐ近くへ来てくれることも多く、その小ささとカモ特有のよたよたした歩き方が可愛らしく人気のカモ。
求愛ダンスは小さくて小回りが利くからか、ほかのカモに比べてとてもキビキビとした印象。
関連動画(youtube):
コガモの求愛ディスプレイ
コガモの求愛ディスプレイ(ハイスピードカメラ)

ホシハジロ

学名: Aythya ferina
全長: 40〜50cm
生態: 冬鳥。鴨池の中では数少ない海ガモ(潜水がも)の一種。
赤い頭に黒い胸とお尻、灰色の背中が特徴。
鴨池の対岸近くでよく潜水して餌を探している。坂網猟で捕えられたホシハジロのお腹から大量のドングリが出てきたことがある。口を開けたら喉にドングリが見えるぐらいまで詰め込んでいた。
キンクロハジロもそうだが、坂網猟でたまに捕えられるということは夜間に鴨池から出て行っているということだが、彼らもマガモ属のようにたんぼに採餌に行っているのだろうか。
関連動画(youtube):
ホシハジロの潜水採餌(ハイスピードカメラ)
ホシハジロの水面採餌(ハイスピードカメラ)

キンクロハジロ

学名: Aythya fuligula
全長: 40〜50cm
生態: 冬鳥。鴨池の中では数少ない海ガモ(潜水がも)の一種。
「金黒羽白」名前の通り金色(黄色)の目と黒いと白のツートーンの体が特徴。羽白はこの仲間が飛翔した時に羽の一部が白く目だって見えることから付いた。
餌付けを受けやすいカモで、近年都市公園でオナガガモなどと一緒に人間から餌をもらってる姿も見られる。
鴨池では日中も対岸で盛んに潜水しているが、ホシハジロと同じく坂網猟で捕えられることから夜間は池の外へ出ていくらしい。どこへ行っているのだろうか。

ミコアイサ

学名: Mergellus albellus
全長: 35〜40cm
生態: 冬鳥。鴨池に唯一コンスタントに飛来するアイサ属のカモ。だったが、日本鳥類目録第7版でミコアイサ属に分けられた。
白い体に目の周りと羽の一部が黒いという特徴から「パンダガモ」とも呼ばれる。
ミコアイサという名も白い見た目から「巫女」にちなんで名づけられている。縁起がいいのでお正月の来館者には一度拝んでくださいとおすすめしている。
潜水時間が長いので、採餌をしているときはなかなか望遠鏡でとらえづらい。約20秒潜り5〜10秒ほどの休憩ののち再び潜水する。
関連動画(youtube):
ミコアイサの求愛
ホシハジロの水面採餌(ハイスピードカメラ)

カイツブリ目

カイツブリ

学名: Tachybaptus ruficollis
全長: 25-29cm
生態: 留鳥。とても小さな水鳥で、よく潜り魚などをとらえて食べている。
尾羽がとても短くほとんど見えないその外見は、丸っこくてとても愛らしい。
足の水かきは弁足と呼ばれる見尾が広がって葉のようになっており、カモなどの足とは異なったつくりをしている。

ペリカン目

アオサギ

学名: Ardea cinerea
全長: 88-98cm
生態: 翼が青みがかった灰色で、腹側は少しくすんだ白、喉と脇と胸に紺色のアクセントが入るサギ。
くちばしは基本黄色いが、春に婚姻色のピンク色に変わる。
灰色でなのに「アオ」サギとついているが、これは「青」ではなく「蒼」で、青みがかった灰色のこともさし、この名の由来になった。

一度動きを止めると数分から数十分ほとんど動かないことがあるので、よく置物と間違えられる。
これは餌のとり方が待ち伏せ型の為で、目の前で餌が動くと急にすばやく動きとらえる。

ツル目

オオバン

学名: Fulica atra
全長: 32-39cm
生態: 全身黒い羽で覆われ、くちばしとそこから上に伸びた「額板」と呼ばれる場所が白く、目が赤い。
陸に上がった時にだけ見える脚は、黄色を帯び、指先はつぶれたように広くなっており水かきの代わりの「弁足」と呼ばれる構造をしている。
弁足はカイツブリにもあるがカイツブリと違い、関節ごとに平たく伸びている。

鴨池ではよくヒシクイの後ろにくっついて動き、ヒシクイが水底から引っ張り上げたマコモの根を奪って食べている。
が、ほかの場所では逆にヒドリガモにまとわりつかれて餌を奪われるらしい。

タカ目

ミサゴ

学名: Pandion haliaetus
全長: 54-64cm
生態: 魚を食べるタカの仲間。
足の形がほかのタカと違い、魚を捕まえやすいようフクロウと同じように第4趾(薬指)が後ろに回る。
つまり、いわゆる普通の鳥の足として浮かぶ三前趾足(3つの指が前を向き親指一本が後ろ向き)とキツツキの足のような外対趾足(人差し指と中指が前を向き親指と薬指が後ろを向く)をどっちもとれる便利な脚をしている(可変対趾足と呼ばれる)。

魚を見つけると一瞬ホバリングし、鴨池の周囲の丘と同じぐらいの高さ(20〜30m)から大きな水しぶきを上げながら飛び込みとらえる。
大きな魚を捕まえると、魚雷のように頭を前に向けて持ち、空気抵抗を減らして飛行する。

オオタカ

学名: Accipiter gentilis
全長: 50-60cm
生態: タカといえばこれを指すというぐらい有名でかっこいいタカ。
成鳥になると翼の上面が黒っぽい灰色で腹から翼下面にかけ白地に黒の横線が入る。
幼鳥は全体的に茶色く、腹側にはクリーム色に茶色の縦線が入る。

とても狩りがうまく、鴨池では年に数回カモを捕まえて食べる様子が観察できる。
しかし、狩りが成功して食べているときを除いて、長時間観察できる場所に滞在してくれることが少なく、見たいという人が来てもなかなか見てもらえない。
そういう時はだいたいその人が帰った後で出現する(笑)

チュウヒ

学名: Circus spilonotus
全長: 48-58cm
生態: ヨシ原のタカとも呼ばれる。
鴨池の場合はマコモの原っぱの上をスーッと滑るように低空飛行を繰り返し、獲物を探す。
狙いを定めると舞い降りて捕える。
小型の爬虫類や哺乳類を捕えることが多いとされるが、カモなど水鳥を狙うこともある。
同じくカモを狙うオオタカは森に隠れて狙いを定め、突然猛スピードで襲い掛かるという対照的な狩りの仕方。
チュウヒはゆっくり飛んでくれるので、写真撮影しやすい猛禽でもある。
11月ごろに一番よくあらわれる。

スズメ目

モズ

学名: Lanius bucephalus
全長: 19-20cm
生態: 小鳥だがくちばしと爪が鋭く、初期の分類では猛禽類に入れられていた。
メスは後頭部から翼上面にかけての上面が赤茶色をしており、オスは上面が灰色で黒くて太い過眼線がある。
飛ぶと翼の真ん中に白い斑がみえるが、これは初列風切りの基部が白いため。

モズは漢字表記で「百舌」と書き、春のさえずりにさまざまな鳥のさえずりを取り込みながら鳴くことから百の舌とついた。
他にも捕った獲物を食べずに枝などに刺して放置することを「百舌のはやにえ」、冬用のなわばり宣言で「キキキキキ」や「ギチギチギチ」と甲高くなく声を「百舌の高鳴き」とよぶ。

エナガ

学名: Aegithalos caudatus
全長: 14cm
生態: 丸っこくて小さな体に、長い尾羽を備えた小鳥。
ピンクがかった白い体に、翼などの一部がくろく、目にはピンクのアイシャドーが入る。
鳥を知っている人に「かわいい鳥は?」と聞けば間違いなく上位に入る鳥。
中でも北海道産亜種のシマエナガはさらにかわいく、ネット上でもよく画像が出回っている。

10羽から数十羽の群れを作り、森を飛び回っておりタイミングがいいと大群で周囲の木を飛び回る。
よくカラ類、コゲラなどと混群をつくり、エナガはその先頭を飛び回ることが多い。