昆虫など(節足動物門)

甲虫目

アオバアリガタハネカクシ

学名: Paederus fuscipes
全長: 6mm
生態: 赤と黒の配色が特徴的なハネカクシの仲間。
アリのように見える(?)ので「アリガタ」とついている。
翅が無いように見えるが甲虫の仲間で、胸の小さな鞘翅(硬質化した前翅)に後翅がたたまれており、広げて飛ぶこともできるので「ハネカクシ」と呼ばれる。
「ペデリン」という強力な毒素を持っており、体についたところをつぶしたりすると数時間後に腫れあがる。
春から出現するが、特に夏は灯火に集まることもあるので、体についた虫を不用意につぶさないよう注意が必要。

アトボシハムシ

学名: Paridea angulicollis
全長: 5〜5.7mm
生態: 白地の体の後方に黒い点が一対あるハムシの仲間。
頭部と胸部はオレンジがかっており、黒い目がきょとんとしていてかわいい。
ハムシの仲間は食草が限られる種類が多いが、アトボシハムシの食草ははアマチャズルやカラスウリなど。
似た種類にはヨツボシハムシがいるが、こちらとは点の数で区別できる。

イチモンジカメノコハムシ

学名: Thlaspida cribros
全長: 7.8〜8.5mm
生態: ハムシの中でも変わった形のカメノコハムシ亜科の一種。
カメノコハムシの仲間は前胸と前翅が周囲に伸びて頭や足を覆い隠し、質感もプラスチックのように見えるものや金属光沢があるものが多く、一見昆虫に見えない。(ちなみに写真は左側が頭。)
似た種類が多いが、側縁後部のみに暗色帯があることでほかの種類と区別でき、同様に側縁後部に暗色帯があるセモンジンガサハムシは小さいことと背中に金の「X」型の文様があることで区別できる。
食草はムラサキシキブやヤブムラサキ。

イチモンジハムシ

学名: Morphosphaera japonica
全長: 6.8〜9mm
生態: 光沢のある黒青色の鞘翅と黄色の胸に黒点が4つあるのが特徴のハムシ。
黒点が一文字に並んでるから一文字なのだろうが、ヨツボシの方があっていると誰でも思うのではないだろうか。
ちなみにヨツボシハムシは別にいて、全然違う見た目をしている。
似ているものにヨツボシオオキノコというキノコムシの仲間がいるが、正直なぜ似ているのか分からない。
食草はイヌビワ、イタビ類。

イネネクイハムシ

学名: Donacia provostii
全長: 6.0〜8.2mm
生態: 金属光沢が美しいネクイハムシの仲間。
ネクイハムシの幼虫は名前の通り根を食べる。
イネネクイハムシの幼虫はイネの根を食べて育つので害虫にもなる。
鴨池では「夜の鴨池探検しよっさ!」でよく灯火に集まる。
食草はジュンサイ、コウホネ、ヒルムシロ、ヒツジグサ、ヒシなど。

イモサルハムシ

学名: Colasposoma dauricum
全長: 5.3〜6mm
生態: 金属光沢の美しい美しい丸いハムシの仲間。
色は赤銅色や青緑色などの変異がある。
体の割に長い脚が特徴。
食草はサツマイモ、ヒルガオなのでサツマイモの害虫になる。

ウスバカミキリ

学名: Megopis sinica
全長: 30〜58mm
生態: 名前の通りカミキリムシにしてはとても薄く柔らかい鞘翅をもつことが特徴。
生態も害虫といわれるカミキリムシと違い、広葉樹や立枯れ、倒木の材部など木材として使われない部分を食するため、害虫とはされていない。
むしろ昔はよく食用にされたと言われ、「てっぽうむし」と呼ばれたカミキリムシの幼虫の中に、この虫も入っていたようだ。

ウバタマムシ

学名: Chalcophora japonica
全長: 24〜40mm
生態: 有名なヤマトタマムシのようにカラフルな綺麗さはないが、金色や赤色に細かく輝き渋い美しさがある昆虫。
鞘翅にしわのような凹凸がある。
場所によっては絶滅危惧種に指定されているようだが、鴨池の周りにはよくいる。
松の害虫としても有名で、鴨池周辺には松枯れで枯れた松がたくさんあるのでそこから発生している可能性がある。

エゴツルクビオトシブミ

学名: Cycnotrachelus roelofsi
全長: ♂8〜9.5mm ♀6〜7mm
生態: 葉をまくことで有名なオトシブミの一種。
巻いた葉(揺籃ようらん)の中央には卵が産みつけてあり、その葉を食べてオトシブミの幼虫は成長する。
この揺籃を落とす種類がいて、まるで昔の手紙のように見えたので、オトシブミと名付けられた。
しかしエゴツルクビオトシブミは揺籃を落とさないので、エゴツルクビオトサナイブミというのが正しいかもしれない(笑)
オトシブミの仲間は首が長いのが特徴だが、その中でも本種のオスは特に長いので「ツルクビ」と呼ばれる。
「エゴ」はエゴノキの葉を使うことから。

オオクロコガネ

学名: Holotrichia parallela
全長: 18〜21mm
生態: 黒いコガネムシ。
類似種とは鞘羽の光沢が鈍いことで分かるらしいが、写真の固体は夜間にフラッシュをたいて撮影したため判別しづらい。
本来は黒色だが微妙な構造色になっているようで、虹色に光っている。中にはあなり赤みがかった個体もいるよう。
細かく見ると前胸部背の前縁と側縁に毛があり(クロコガネにはない)、点刻が荒い(コクロコガネは細かい)ことで見分けられる。
夜行性の虫で、幼虫はサクラやリンゴ、ナシなどの根を食べ、成虫はそれらの葉を食べる。

オオヒラタシデムシ

学名: Eusilpha japonica
全長: 18〜23mm
生態: 死体を食べる物がおおいグループなので、「死出虫」と名づけられた。
特にミミズの死体のような柔らかいものが好きなようだ。
本種は名前の通り体が平たく、ヒラタシデムシより少し大きい。
見分ける時は、ヒラタシデムシには一様にある胸部の点刻が、本種では中央の一部に点刻が無く滑らかになっている場所があり、中央部にしわのような溝ができる。
成虫の外見がゴキブリに何となく似ていること、死体を食べること、幼虫がワラジムシのような形をしていることから嫌われることもある昆虫だが、森の掃除やとして生態系を考える時にはなくてならない生き物。
というかちゃんと見ればかわいいし面白い虫だと思う。(素早すぎて地面で撮影できずに手に乗せているぐらいだし・・・)

オオヨツスジハナカミキリ

学名: Leptura regalis
全長: 23〜31mm
生態: 名前の通り背に四つの筋があるのが普通だが、変異が大きく真っ黒な個体もいるらしい。
この固体も黒い範囲がかなり多く、「スジ」になっていない。
類似種のヨツスジハナカミキリは13〜20mmと大きさがかなり違うことと、頭が前方に伸びることから区別できる。
2014年度のイベント「カメラで虫撮り」の参加者の子によって見つけられた、その時が鴨池初記録。(ただし、レンジャーの力不足でまだ記録できていない昆虫は山ほどいる。)
よくハチに擬態していると言われるが、黒い個体やこの個体のような「スジ」になっていない個体を見てもハチには見えないと思ってしまう。
実際はどうなのだろうか。

オトシブミ

学名: Apoderus jekelii
全長: 18〜23mm
生態: 葉を巻いて卵を産み付け下に落とす習性があり、その落ちた葉(揺籃ようらん)が、昔の手紙(ふみ)に似ていたことからオトシブミとつけられた。
オトシブミの存在や名前の由来は知っている人も多いであろうメジャーなものだが、そのオトシブミがこんな姿をしていることを知っている人はとても少ないのではないだろうか。
赤と黒というカラーリングもくびれの先についた小さな頭も、本種を知らない人が話で聞いているオトシブミと関連づけるほうが難しいと思う。
ではどういう虫を想像するのかと考えるとそれもまたちょっと楽しい。
ちなみにこの写真はメスの写真で、オスはもっと頭が長い。

オバボタル

学名: Lucidina biplagiata
全長: 7〜12mm
生態: ホタルの仲間といえば日本ではゲンジボタルとヘイケボタルが有名だが、実は国内に50種類もいる。(もっとも多くの種類は西南諸島の温暖な地域に生息している。)
ただし成虫がきれいに光る種類は限られており、ほとんどが成虫の時には光らない。(正確には光が暗すぎてほとんど見えない)
本種も暗く赤い光を発すると言われているが、レンジャーは未確認。
しかし卵と幼虫の時期にはほぼすべての種が発光しており、このことからホタルは天敵に対する警告として光るようになったのではないかと言われている。
きれいな水で育つというのも実はほとんどの種に当てはまらず、水中で幼虫時代を過ごすホタルは国内に3種だけ。
本種もふくめ、ほかの種はカタツムリなど陸生の巻貝を食べる。

カブトムシ

学名: Trypoxylus dichotomus
全長: 30〜54mm
生態: 言わずと知れたカブトムシ。 オスの頭部からは先が分かれた角が生えており、胸部からも短い角が生えている。
その形が兜に似ているため、カブトムシと名づけられた。
角は主に餌場やメスをめぐるケンカにつかわれ、相手の体の下にすくい入れて持ち上げ剥がして下に落とすという戦法をとる。
力が強く、体の10倍以上の重さのものも動かすことができるので、胸部の角に紐をひっかけて荷物を引かせる遊びがよくされた。
メスは角がなく、他のコガネムシの仲間に形は似るが、大きいのでサイズを確認すればすぐにわかる。

カメノコテントウ

学名: Aiolocaria hexaspilota
全長: 8〜11.7mm
生態: 亀の甲羅のような模様と光沢のある美しいテントウムシ。
普通のテントウムシよりかなり大型で、食べるものもアブラムシではなく、クルミハムシの幼虫。
鴨池にはたんぼの横にヒメグルミの木が一本生えており、その葉にクルミハムシがたくさん出るので、それを食べにやってくる。
それでも例年1〜2匹しか見つからないレアな種。
もう少しクルミがたくさん生えているところに行けばたくさんいると思われる。

キンイロジョウカイ

学名: Themus episcopalis
全長: 20〜24mm
生態: ジョウカイボンと呼ばれるグループの一種で、上翅が紫色から金色に輝く美しい虫。
足が付け根が黒くて先が黄色いので靴下をはいているようにも見える。
目もくりっとしていてかわいいが、実は他の昆虫を食べる肉食性の昆虫。
ジョウカイボンの名は平清盛の「淨海坊」からきていると言われることがある。
混同されてきたカミキリモドキには触ると火傷したような炎症を起こす物質を出すので、熱病で死んだ平清盛の祟りと関連づけられたなどと言われるが、十分な証拠はなく実際の由来は不明なようだ。

クルミハムシ

学名: Gastrolina depressa
全長: 6.8〜8.2mm
生態: クルミの葉を食べるハムシの一種。 上翅は濃い青から紫の光沢があるが、緑銅色の固体もいるらしい。 幼虫は集団でエサを食べるので、一枚の葉に20ほどの幼虫が群がっていることがあった。 その後彼らは葉の裏からぶら下がるようにさなぎになり、SF映画に出てきそうな光景になる。 彼の捕食者は鳥やカメノコテントウだが、集団でいることが防御になっているのだろうか?

クロボシツツハムシ

学名: Cryptocephalus signaticeps
全長: 4.5〜6.0mm
生態: 黒いコガネムシ。
類似種とは鞘羽の光沢が鈍いことで分かるらしいが、写真の固体は夜間にフラッシュをたいて撮影したため判別しづらい。
本来は黒色だが微妙な構造色になっているようで、虹色に光っている。中にはあなり赤みがかった個体もいるよう。
細かく見ると前胸部背の前縁と側縁に毛があり(クロコガネにはない)、点刻が荒い(コクロコガネは細かい)ことで見分けられる。
夜行性の虫で、幼虫はサクラやリンゴ、ナシなどの根を食べ、成虫はそれらの葉を食べる。