雪とあそぼう実験教室 その5

チンダル像を作ろう

透明な氷に強い光をあてると、氷は表面だけでなく内部からもとけてきます。 内部がとけてできる形は、はじめは薄い円板状(えんばんじょう)、序所に六方向に枝が伸び、雪の結晶とよく似た形になります。 これがチンダル像です。 イギリスの科学者チンダルが氷河や湖の氷で発見し、スケッチを残しました。 花の形にも似ているので、アイスフラワーと呼ばれることもあります。 美しく不思議なチンダル像に魅せられ、中谷博士が詳しく研究しました。
 チンダル像を作り、OHPで観察しましょう。

雪の科学館のチンダル像コーナー

用意するもの
  • ○氷 ― 図1を見て作ります。 ひとかたまりの氷は、普通いくつかの結晶の集り(多結晶(たけっしょう))です。 チンダル像は、できれば全体が一つの結晶(単結晶(たんけっしょう))の氷のほうが観察しやすいですが、図1の方法でこれに近い氷が作れます。 ノコギリで適当な大きさに切り、実験直前まで冷凍庫に入れておきます。
  • ○光源 ― 200W程度の写真用電球を使います。
  • ○OHP ― ステージが上下して拡大できる機種。
  • ○スクリーン、平らな金属板(氷をとかす)、シャーレ、バケツ(水すて)、タオルなど。

図1 チンダル像に適した氷の作り方

<実験・観察の手順>

  1. OHPのステージを上げて拡大率を最大にし、スクリーンまでの距離を調節します。(図2)
    部屋を暗くします。
  2. 氷の表面を金属板でこすって平らで透明にし、シャーレに入れます。
  3. そのシャーレをOHPのステージにのせ、光をあてます。 鮮明に映るようにピントを調節します。

図2 OHPによるチンダル像の観察方法

チンダル像をスケッチしよう。


太陽の光でチンダル像

ポイント

真空の泡
チンダル像の中に丸い泡が一つできます。 氷がとけてできる水の体積は氷より少し減るため、その分が空洞になります。 氷の中にできた空洞には空気が入ることはできません。でも水蒸気は入っています。
結晶の境界
氷が単結晶でなく、いくつかが集まった多結晶であれば、くっくりした境界線が見えてきます。 結晶の境界は早くとけやすいからです。
円・だ円・線
だ円や線のチンダル像ができることもあります。 これは、薄い円板状のチンダル像が傾いて見える形です。 チンダル像は結晶のある決まった向きにできるので、結晶の向きが違えば見え方が違ってきます。多結晶の氷のときは、結晶の向きがそれぞれ違うのが普通なので、円や六角形・だ円・直線のいろいろなチンダル像が、境界線で区分されて同時に観察できることがあります。

不思議だと思いませんか?

チンダル像は雪とよく似た六角形になります。 雪は結晶ですが、チンダル像は氷がとけた形ですから、逆のことなのに、同じ六角形になるのは不思議ですね?
 雪が氷晶から成長することを学びましたが、雪は氷の結晶で、チンダル像ができる氷と同じ結晶です。 氷の結晶は、水の分子が六角形に結びついており、それが蜂の巣のようにつながったものです。 その六角形の、角と角の間の辺の向きの六方向に、ちょっと成長しやすくなったり(それが雪)、ちょっととけやすくなって(それがチンダル像)、両方とも六角形に伸びるのです。


水の分子模型